小説「いま、会いにゆきます」を読んだ感想

映画化、ドラマ化もされた、市川拓治の「いま、会いにゆきます」。
作者のことを知って、その作品を読んでみたいと思い、地元の図書館で借りて読みました。

 この小説は妻を亡くしてシングルファザーとなった主人公が息子と一緒にアパートで暮していたところ、亡くなった妻が現れて3人での生活が始まるという話です。話は主人公の男性の目線で進んでいきます。

 最初はどのような話なのかと思いながら読みました。この小説の主人公は自分のある問題で、他の人が普通にできることが自分にはできません。
しかしそのことで苦労しているというわけではなく、仕事に関しては自分のできることをやっていて、しかも周囲の理解もあります。
この小説の登場人物は少し変わったところはあるけれど、柔和なところがあって読んでいて優しい気持ちになるようでした。
この小説は会話文が非常に多いので、とても読みやすかったです。
場面のテンポも良く、この次はどうなるのだろうと思いながら読みました。
亡くなってから現れた妻の正体、そしてタイトルの意味が分かったときには、なるほどこういうことなのかと、感心してしまいました。
作中の情景描写や人物の心理描写が分かりやすく、まるで登場人物が実際動いているのを想像できるかのようでした。

 この小説を読んで、人とは違った個性を持っている人の社会との関わり方は、作中のようであるべきなのだなと思いました。
社会の中で、いろいろ錯誤はあるかもしれない。で
も、できることはある。そういうメッセージを受けたようでした。
また人を愛する気持ちは、離れていようがいまいが変わらないものなのだなと思いました。

 今回、素晴らしい作品に出会うことができました。これからも多くの小説に出会いたいです。