村上春樹作『スプートニクの恋人』

先日見た人気クイズ番組『Qさま!!』で、世界に影響を与えた日本人上位25人の堂々第一位がこの本の作者村上春樹氏でした。ノーベル文学賞にも何度もノミネートされています。東大の教授ロバート・キャンベル氏も、すでに日本人作家という枠を超えて、世界の人が「私のために書かれている」とさえ思われているそうです。

この『スプートニクの恋人』は純度100%の恋愛小説だと思います。「22歳の春にすみれは生まれてはじめて恋におちた」という書き出しから始まりますが、この一節だけでも一読の価値があると思います。(本当にすごいの一言なのでぜひ読んでほしい…。)

すみれという小説家を目指す女の子が恋に落ちますが、相手は女性です。そして相手のセクシャリティ以前の問題があり、その恋は報われません。その問題とは物語の後半で明かされますが、不思議なある出来事が理由となっています。語り部の男性はすみれに恋をしていますが、これもやはり一方的で報われません。さて、これらの恋の結末は?となったら巷にあふれる恋愛小説のようですが、そう簡単なお話しでもありません。

読み方は人それぞれだと思いますが、私はすみれに感情移入してしまい切ない気持ちになりました。すみれがどんな行動を起こしたか、ネタバレになるので書けませんが、私ももしかしたら同じような事をするのではないかと思います。

相手を想って自己犠牲の精神で行動するとか、そんなわかりやすいお話しでもありません。しかし、すみれの無垢な愛情と行動には胸を締め付けられます。