本作は、秋田禎信先生のSF忍者アクション小説です。
舞台は、真っ暗闇の地下世界。捨てられたガラクタがいっぱいで、天井からはオイルの雨が降り注ぎます。
そんな場所で目覚めたのは、一体の機械人。
覚えているのは、自分の名前がハンター、ということだけ。
高く跳べる身体、闇でも見える目。地下世界には、同じような機械人が大勢いました。
その中で出会ったのが、ミュンヒハウゼン、ディバイダーなどの四人の機械人達。
ハンター達は、強いモノが弱いモノを踏みにじる地下世界で、弱いモノを助ける為の活動を始めます。名乗ったのは、「ハンターと闇の一党」。
忍者、ガンマン、マジシャン、古武士、女の子という、バラエティ豊かな面々は、特技を活かして大活躍。
しかし、地下世界で誰もが求める「光」を発する機械人、ビューティグレイスが現れたことで、ハンター達は大勢の機械人に追われることになります。
どんな時もブレず、自分のやるべきことを行うハンターは、まさにヒーローそのもの。
独特のリズムの文章はどこか渋く、まさに秋田先生節!
やがて、このガラクタ世界や、人の脳を持つ機械人達の秘密が明らかになっていきます。
もし、この世界が実験の為に作られたモノで、神のように高みから、自分達を監視する存在がいるとしたら……。
自分や仲間の衝撃の事実を知っても、ハンターはそのまま受け止めます。身体が機械でも、自分は人間。そして、自分は自分だと。映像化されたら映えそうな、アメリカンコミックを思わせる独特の世界でした。続きを読みたいです……。