楽園のカンヴァス

原田マハの小説で一番好きな作品です。どちらかと言うと元気ハツラツな女性像が多い作家さんだったので、とても静かな物語の始まりに意表をつかれ、一気にこの世界に引き込まれました。
絵心のまったくない私でも、アンリ・ルソーは知ってるし”夢”あの絵ももちろん知っています。
この小説を読んでから何度あの絵を眺め直したことか!笑 あまりに巧なストーリーに、フィクションであることを本気で疑うほど。物語全体にただようミステリアスな雰囲気のなか、読むほどに絵画の世界と作品が生み出された19世紀ころにタイムスリップしていきます。

若いころのピカソが出てきたり、画家たちの熱いパッションが息づいていました。
そのあたりから小説のなかでも現実なのか夢なのか、不思議な世界をさまよう感覚がたまらなかったです。さいごの対決?はどうなるかハラハラ。
ここまで上質な絵画ミステリーはなかなか味わえることないです。あの一冊でいろんな時代、世界を旅したし、本を開くだけで美しい色彩の世界を堪能できて幸せな時間でした。
あと、キュレーターという仕事があることを知ったのもこの小説からです。
とてもステキな仕事だなぁと興味をもちましたね。絵に疎い私でもこんなに楽しめたので、絵画好きならたまらない小説では?